読書の秋、久しぶりに小説を読みました。
この表紙、チェロ弾きさんならだれでも読みたくなると思います。
少年時代のある事件から心を閉ざしてきた橘は音楽教室への潜入調査を命じられます。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと・・
スパイの立場でありながらその裏でチェロの美しい調べや講師の音楽に魅せられ、
チェロ仲間たちの交流が癒しとなっていく・・
途中ハラハラさせたり胸がぎゅっとする場面もあり一気に読んでしまいました。
最後はやっぱり音楽っていいなと静かに心が震えるようでした。
講師と仲間の繋がり・・信頼関係がとてもすてき。
わたしも実際に大手の音楽教室に通っていたことがあったので
レッスンの雰囲気をなつかしく思いました。
作者さんはチェロの経験があるのか?演奏中の気持ちや動作がとてもリアルです。
もし、経験がないならすごく取材をされたのだと思います。
ドッツァウアー、ポッパー、バッハなどチェロでおなじみの作曲家が出てきたり・・
ちょうど今ドッツァウアー113の練習曲3巻をしているので
橘は何番を弾いたのか興味があります。
橘と同じようにわたしも深海に沈んでいるような気持ちになることがあります。
そんなときのチェロは光のあるところに浮上させてくれるもの。
最高の癒しです。
今のチェロの先生は習って5年ちょっとですが一生の師匠としてずっとついていきたいと思っています。
今レッスンで無伴奏チェロ組曲第6番のプレリュードとアルマンドを練習しています。
最後に主人公が師匠に無伴奏組曲の1番から6番までを弾けるようになりたいという場面がありました。
それはわたしの目標でもありました。
5年かけてようやく最後の6番までたどり着きました。
バッハの無伴奏は大好き
でもそれはとても苦しい。まさに深海の中でおぼれるように練習するよう。
でも時々水面に光が見えることがある。
出したかった音、メロディーが弾けたと思う瞬間がある。
その一瞬のためにがんばっている気がします。
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